日本未熟児新生児学会雑誌 24(1):114-119;2012 印刷する
日本未熟児新生児学会雑誌 第23巻第2号 114~119頁(2011年)
新生児輸血に用いる院内採血した血液の適正な製造体制・順守基準
日本未熟児新生児学会薬事委員会「新生児の輸血問題小委員会」からの提言
新生児の輸血問題小委員会
委員長 小山 典久
委 員 網塚 貴介・奥 起久子・川口 千晴・白川 嘉継・長 和俊・細野 茂春
 日本未熟児新生児学会薬事委員会の下部組織である,新生児の輸血問題小委員会が中心になり,「新生児輸血に用いる院内血液製剤の適正な製造体制・順守基準」をとりまとめた。
 厚生労働省医薬食品局血液対策課による,輸血療法の実施に関する指針には,院内で輸血用血液を採取して輸血を行うことに関して,「日本赤十字社の血液センターからの適切な血液の供給体制が確立されている地域においては,特別な事情のない限り行うべきではない」と記されている。しかし,血液センターからの適切な血液の供給体制が確立されていない地域が少なからず存在しているのが現実である。そこで,そのような地域において,院内採血した血液(院内血)を用いた輸血を行うにあたり,より安全で適切な輸血を行う上に順守すべき事項をまとめ提言した。
 この提言はけっして安易な院内採血を促すものではない。院内血の使用は,あくまで患児の救命および後障害予防のため,やむをえず行う最後の手段であることをあらためて強調したい。
 以下の提言は,新生児の輸血問題小委員会,薬事委員会での議論を経て,平成22 年7 月12 日に開催された日本未熟児新生児学会理事会で承認されたものである。
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