一般の皆様へ

災害時の子育て情報

このたび、日本新生児成育医学会の災害対策委員会で「被災地の避難所等で生活をする赤ちゃんのためのQ&A」を作成いたしました。避難所等で生活される赤ちゃんとそのご家族のお役に立てることを願っております。スタッフ向けのQ&Aにつきましては「東日本大震災に関するお知らせ」ページをご覧ください。PDF・携帯版も公開しています。

A:赤ちゃんが元気で、いつものようにおしっこがでていれば大丈夫です。

いつものようにおしっこがでていれば(1日6回以上おむつをかえるようなら)大丈夫です。母乳には赤ちゃんに必要な栄養が入っていますし(ママが十分食べていなくても)、災害時に流行しやすい病気から赤ちゃんを守ってくれます。緊張や不安で母乳の出が悪くなることはあっても一時的なもので、リラックスして授乳できるようになればもとのように出てきます。なるべく落ち着ける場所で、赤ちゃんが欲しがるたびに欲しがるだけ飲ませてあげましょう。

A:赤ちゃんでも紙コップで飲めます。

赤ちゃんでもコップから飲むことができます。

  1. ミルクを紙コップの半分以上入れます。
  2. 赤ちゃんはちゃんと目が覚めているときに、たて抱っこします。
  3. 紙コップを赤ちゃんの下唇にあてて、少量ずつ飲ませます。

赤ちゃんのペースに合わせて、ゆっくり飲ませましょう。いっぺんにたくさん飲むのは赤ちゃんも大変なので、1回の授乳は30分ぐらいで切り上げましょう。授乳回数を増やしても大丈夫です。

A:湯冷ましと砂糖があれば、一時しのぎできます。

コップ1杯(約200ml)の湯冷ましに砂糖大さじ1杯を溶かして飲ませてあげましょう。重湯(おかゆの上澄み)もよいでしょう。母乳を吸わしてあげると、赤ちゃんもママも気持ちが少し落ち着くでしょう(母乳がまた出てくることもあります)。6カ月過ぎの赤ちゃんなら、ごはんやバナナをつぶしてお湯で伸ばすなど離乳食で補ってもOKです(赤ちゃんせんべいをお湯で溶いても大丈夫)。

A:タオルなど手もとにあるものを利用しましょう。

呼吸の妨げにならないように注意しながら、「衣服やタオル、ママのショールなどで何枚か重ねて空気の層をつくる」、「レインコートやラップなどで冷気をさえぎる」、「帽子をかぶせる」、「床には新聞紙やダンボールなどを敷く」、「ダンボール箱に新聞紙やタオルを敷いて赤ちゃんを寝かす」などするといいでしょう。毛布にくるまるときはママといっしょのほうが暖かです。手足をマッサージするのも効果的です。低月齢の赤ちゃんならママの肌が直接触れるようにして抱っこすると、体温が伝わりやすいです。あやすと笑ったり、元気に泣くようなら大丈夫。「顔色が悪くぐったりして元気がない」ときはすぐ医療スタッフに相談してください。

A:手持ちの紙おむつの最大活用、レジ袋とタオルで代用おむつなどのくふうを。

紙おむつの外側は防水なので何度か使えます。手持ちが少なくなったら、生理用ナプキンやタオル、さらしなどを中に敷く、吸収体まで汚れたらそれを取って外側だけおむつカバーとして使うことができます。使用後の布は酸素系漂白剤と洗剤を溶かしたバケツに漬けおきし、すすいで干せばまた使えます。レジ袋とタオルで代用おむつを作ることもできます。①ハサミでレジ袋の持ち手の部分と側面をきります。②開いた部分にタオルをのせます。タオルの上にガーゼやフリースなどを敷いておくとウンチをとるときに便利です。③袋の持ち手を結びます。

A:少量のお湯で、皮膚をきれいにする方法です。

顔→手→胴体(胸・おなか)→背中→足→おしり周辺と、体を順番に拭いていきます。お湯でしぼったタオルで汚れを取りき、乾いたタオルで水分をふきとります。石けんは、手で泡立ててつけて、石けん分が残らないように濡れタオルで何回か拭きます。タオルはないときはティッシュペーパーでもOK。お湯に余裕があれば、外陰部は洗い流してあげましょう。タオルに余裕があるようなら、最後に乾いたタオルでもう一度拭いてあげてください。

A:おむつかぶれは予防も治療も基本は同じです。

  1. ティッシュペーパーや使い捨てができる布をぬらしてうんちを拭き取ります。
  2. ペットボトルに入れたお湯(なければ人肌に温めた水)で、おしりを洗います。
  3. 1日に1回は最初に石鹸水で洗い、次にお湯で洗い流します(1日に1回で十分)。
  4. 乾いた布などを押し当てて水分を取ったのち、よく乾燥させてからおむつを当てます。できるだけ、よく乾燥させ、濡れた状態でおむつをしないことがポイントです。

A:できる範囲のスキンケアで大丈夫。

赤ちゃんの湿疹は成長につれて自然に治ります。災害時にはできる範囲のスキンケアで大丈夫。普通の石けんを良く泡立て洗い、石けんが残らないように洗い流しましょう。黄色いかさぶたはベビーオイルやオリーブオイルを浸した綿花をあててから洗うとはがれやすくなります。皮膚が乾燥していたら、白色ワセリンなどを塗ります。赤みやかゆみがあれば塗り薬を薄く塗ってもよいでしょう。急な発疹に熱がでたり不機嫌な場合、ブツブツが膿を持っている場合、湿疹が長引く場合は、医療スタッフに相談してください。

A:「の」の字マッサージがオススメ。

赤ちゃんを仰向けに寝かせて、ママの手で、おなかに「の」の字を書くようにマッサージしてあげましょう。また、仰向けで、両足をもって前後左右に動かすのも効果的です。それでもウンチがでなくて苦しそうに見えたり、おなかがいつもより張っているときは、肛門周囲を指で軽く押してマッサージしてみてください。綿棒があれば、綿棒の先(綿がついている部分)を湿らせて2cmぐらい肛門に入れて、優しくゆっくり回します。ワセリンやオイルがあればそれで綿棒の先を湿らせます。なければママの唾液や水でかまいません。改善が見られなければ、医療スタッフに相談してください。

A:水分補給をしてあげましょう。

下痢をしていても、母乳やミルクを飲めて、下痢の回数が1日4-5回程度なら、あるいはウンチとオシッコが区別できるぐらいならまず心配はありません。母乳やミルク、乳児用イオン飲料など飲ませてあげましょう。オムツかぶれになりやすいので、注意して(Q7参照)。ただ、赤ちゃんが母乳やミルクなど水分を飲めない、オムツからあふれるぐらいの下痢が1日5回以上のときは医療スタッフに相談してください。オムツ交換のあとは、可能な限り手を洗うかアルコール消毒をしましょう。

A:吐いても機嫌がよくて母乳やミルクが飲めれば大丈夫。

赤ちゃんはちょっとしたことがきっかけで吐いてしまいます。吐いた後に機嫌がよく、母乳やミルクの飲みがよければ様子をみてよいでしょう。また口からタラーッとたれるいつ乳は心配ありません。ウイルス性胃腸炎などで嘔吐が続いているときは、飲ませるとそれが刺激になってまた嘔吐してしまいます。2~3回嘔吐が続いたときは、2~3時間何も飲ませないでお腹を休ませ、それから少量の水分(母乳、ミルクあるいは乳児用イオン飲料)を飲ませ、吐かなければ少しずつ増やしていきます。嘔吐が2~3日続く、嘔吐だけでなく下痢もしているとき、おしっこが出ない、ぐったりしている場合には医療スタッフに相談してください。また生後3カ月未満の赤ちゃんで、発熱や顔色が悪い、うつらうつらしているときはすぐに医療スタッフに相談してください。

A:母乳やミルクが飲めていれば、鼻水は出ていても赤ちゃんは大丈夫。

鼻水や鼻づまりがあると授乳のとき苦しそうに見えますが、一度にたくさん飲めなくても飲んでいれば大丈夫です。途中お休みしながら、少しずつ飲ませてあげましょう。鼻水はふきとってあげるだけでも構いませんが、鼻汁が多くて気になるときには、大人が口でゆっくり鼻水を吸い取ってあげてもいいでしょう。また母乳が出ているお母さんは、母乳を鼻孔に2,3滴入れてあげると、鼻の通りがよくなることが昔から知られています。 ミルクの飲みが明らかに減ったとき、呼吸ものどの下がへこむなどして苦しそうにしているときには、医療スタッフに相談してください。

A:眠れて、母乳やミルクが飲めていれば大丈夫。

せきやぜえぜえがあっても、眠れて、母乳やミルクを飲めるようなら大丈夫。1回にたくさん飲むのがつらそうなら、少量ずつ、こまめに飲ませてあげましょう。せきやぜえぜえのために眠れないとき、呼吸が苦しそうなとき、せきのたびに吐いてしまうとき、ミルクの飲みが悪いとき(吸う力が弱い、量がいつもの半分以下)犬が吠えるような、又はオットセイの鳴き声のようなせきをしているときは、できるだけ早く医療スタッフに相談してください。

A:いつもと同じように、「飲む,寝る、遊ぶ」ができていれば大丈夫。

赤ちゃんは体温調整がまだ下手、病気じゃなくても、ちょっとしたことで体温があがります。ストーブの前にいた、室温が高い、着せすぎといったことがないかまずチェックしてください。熱があっても、いつもと同じような様子(母乳やミルクを飲む、寝る、遊べる=機嫌がいい)なら、まず大丈夫。熱があると脱水になりやすいので、母乳やミルク、水分などをこまめに与えて、様子を見守りましょう。○3カ月未満の赤ちゃん、○嘔吐を繰り返す、○母乳やミルクを飲めない、○ぐたっとして生気がないときは、周りの医療スタッフに相談してください。

A:十分頑張っているのだから、家族や周囲の人に手助けを求めましょう。

災害のときなら、誰でも「眠れない、何もする気がしない、イライラする、敏感になる、不安になる」ことはあります。まして赤ちゃんを抱えて頑張っているのだから、ストレスを感じるのも当然です。一人で頑張ろうとしないで家族や周りの人に手助けを求めましょう。赤ちゃんを短時間預かってもらうだけでもちょっとラクになります。授乳室や子供のいる家族の部屋を用意する、遊ばせる場所や時間を作るなどの要望を、みんなで話しあいましょう。症状は数カ月で自然におさまることが多いのですが、つらいときや長引くときは、医療スタッフに相談しましょう。

A:赤ちゃんも不安を感じているもの、抱っこしてあげましょう。

普通の生活でも赤ちゃんは夜泣きをすることはよくあります。まして大人も不安になる災害時、赤ちゃんだって夜泣きしたくなりますよね。授乳やおむつ交換、寒暖の調節などでも泣きやまないときは、無理に泣き止ませようとあせらず、やさしく抱っこしてあげましょう。周囲に気を使わなければならないときは、今居る場所から少し離れて、外の空気を吸わせるといいかもしれません。

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