新生児先天性横隔膜ヘルニア(CDH) 診療ガイドライン第 2 版(2021)
パブリックコメント募集のお願い
先天性横隔膜ヘルニアとは?
先天性横隔膜ヘルニア(CDH)は、わが国において年間約200例が生まれる希少疾患であり、その生存率が約80%に留まる予後不良な疾患です。横隔膜とは、胸と腹を分けている筋肉でできた膜です。横隔膜に生まれつき穴があいていることで、腹部の臓器が胸に入りこみ、様々な症状がみられます。しかし、この病気の治療を難しくしているのは、生まれつき肺の発育が不良で小さいことと(肺低形成)、肺に血液が流れにくい状態(新生児遷延性肺高血圧症)を併せ持っていることによります。治療には手術が必要で、手術前後の管理が適切に行なわれる必要があります。また、退院後も合併症や併発疾患をもつことがあるため定期的なフォローアップが必要になります。
ガイドライン作成の趣旨
CDHは希少疾患であるため各施設の症例数に限りがあること、病気の重症度に幅があること、治療や管理方法の選択肢が増えてきていること、などの理由により、施設間での診療内容や治療成績に違いが生じています。これは、実際に何が最適な治療法なのかがはっきりしていないことが一因となっています。そこで、わが国における治療の標準化、診療の均てん化(全国どこでも等しく最適な医療を受けられること)を目的に、CDH研究グループでは2015年に診療ガイドライン初版を発行致しました
この度、初版発行から5年が経過したため改訂版を作成いたしました。新たなエビデンスを追加し、初版では触れられていなかった胎児期~周産期のCQ(クリニカルクエスチョン:臨床上の疑問点)を3つ追加しました。
初版と同様、それぞれの科学的根拠を評価した上で、様々な観点から総合的に検討し、患者・家族と医療者の意思決定を支援するために最適と考えられる推奨を提示しました。
本ガイドラインが、今後のCDH診療に役立つことを願っております。
パブリックコメントの募集
つきましては、広く受け入れられるガイドラインにしていくため、パブリックコメント(皆様のご意見)を収集し、最終稿に反映させていきたいと考えております。よりよいガイドラインの作成のため、ご意見をお寄せくださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
令和3年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)
呼吸器系先天異常疾患の診療体制構築とデータベースおよび
診療ガイドラインに基づいた医療水準向上に関する研究
研究代表者:臼井規朗 大阪府立母子保健総合医療センター 小児外科
CDHグループ責任者:永田公二 九州大学大学院医学研究院 小児外科
ガイドライン作成グループ責任者:照井慶太 千葉大学大学院医学研究院 小児外科
資料
https://drive.google.com/file/d/19dvH5EtWgEL7X2y8tM9oyeKZ91mn-VlL/view?usp=sharing
ご意見・情報の提出締切日
2021年10月20日~2021年11月21日
ご意見・情報の提出方法
終了しました